盛岡大学栄養科学部

膜タンパク質の組立てを助けるタンパク質の働きを解明

栄養科学部 成田新一郎教授は、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の秋山芳展教授、大門康志研究員、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科の塚崎智也准教授らと共同で、大腸菌の外膜タンパク質の組立てと分解に働くBepAタンパク質の部分構造を決定するとともに、外膜タンパク質との相互作用に働くBepAのアミノ酸残基を同定し、外膜タンパク質組立てにおけるBepAの作動モデルを提唱しました。本研究成果はMolecular Microbiology誌(2017年12月刊)に掲載されるとともに、論文中の構造モデル図がこの号の表紙に採用されました。

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概要

細菌はグラム陽性とグラム陰性に大別されます。大腸菌をはじめとするグラム陰性細菌には外膜があり、様々な薬剤の侵入を防ぐバリアーとして働いています。大腸菌のBepAタンパク質は、外膜で働くタンパク質の組立てを助けるとともに、組立てに失敗したタンパク質を分解することで、外膜の品質を維持しています。本研究ではBepAにおいて外膜タンパク質との相互作用に関わることが予想される部分(TPRドメイン)の立体構造をX線結晶構造解析により決定するとともに、部位特異的in vivo光架橋法と呼ばれる実験手法を用いてBepAと外膜タンパク質との相互作用部位を探索しました。その結果、BepAのTPRドメインはLptDなどの外膜タンパク質と相互作用するだけでなく、外膜タンパク質の膜への組み込みをつかさどるBAM複合体とも相互作用することがわかりました。これらの結果をもとに、BepAの作動原理に関する新たなモデル(図)を構築しました。

BepAを欠損させると外膜の品質が低下するため、細菌が様々な抗菌薬に対して感受性を示すようになります。本研究成果は、BepAの活性を阻害する化合物のスクリーニング等を通して、新たな抗菌薬の開発につながることが期待されます。

本研究は、下記機関より資金的支援を受けて実施されました。

  • 学術研究助成基金助成金 基盤研究(C)15K07008「ペリプラズムプロテアーゼBepAによる細菌外膜の品質管理機構」研究代表者:成田新一郎
  • 公益財団法人 旭硝子財団 平成26年度募集(平成27年度採択)自然科学系研究奨励「細菌細胞表層の生合成と品質管理に関与するプロテアーゼBepAと外膜タンパク質の相互作用の解析」研究代表者:成田新一郎
書誌情報
  • Yasushi Daimon, Chigusa Iwama (Masui), Yoshiki Tanaka, Takuya Shiota, Takehiro Suzuki, Ryoji Miyazaki, Hiroto Sakurada, Trevor Lithgow, Naoshi Dohmae, Hiroyuki Mori, Tomoya Tsukazaki, Shin-ichiro Narita, Yoshinori Akiyama
  • The TPR domain of BepA is required for productive interaction with substrate proteins and the β-barrel assembly machinery (BAM) complex.
  • Mol. Microbiol. 106: 760-776. 2017
  • 抄録(外部サイトへ移動します)
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